音楽療法に適した楽器とは

音楽療法とは、音楽の持つ力を利用して心身の不調などを改善しようとする試みです。
音楽を聴くことのほか、楽器を手にとって自ら音を奏でたり、歌ったりすることもよいトレーニングになるようです。
音楽療法に適した楽器というのは、特別なものである必要はなく、音が出せるものであれば何でもかまいません。
ピアノや打楽器などの、なじみのある「楽器」以外でも、叩いて音が出るならバケツでもコップでもいいのです。
ただ、「音楽を通じて心身にアプローチする」目的を考えた場合、綺麗な音色が出せる楽器を使用すると一層楽しく、心に響く効果が高まるであろうことは想像に難くありません。

「これはなんだろう?」と相手が興味を持ち、「やってみたい」と思わせるような仕掛けを与えるのも良いと言われています。
また、扱いやすい楽器を使用すること、持ちやすさや操作の仕方を工夫することも大切です。
たとえば、持ち手が滑りにくく、持ちやすいように持ち手に籐を巻いたハンディマラカスなどは、握りやすく演奏も簡単に出来るようになっています。
腕を左右に振ったり、持って動かしたりする楽器の場合、身体状況によっては操作しにくい場合もあるため、対象者の状況に合わせた楽器の選定は重要なポイントになります。

モーツァルトの音楽と音楽療法

モーツァルトの音楽は、脳を刺激して自律神経を活発化させることが広く知られるようになってきました。
なぜ、そのような効果がもたらされるのでしょうか。
高周波音は神経系を効果的に刺激し、生体機能に良い影響を与えると言われていますが、ここにその秘密が隠されています。
モーツァルトの音楽には、3500ヘルツ以上もの高周波を豊富に含んでおり、これが、モーツァルトの音楽が心身に好影響を与える理由ではないかと考えられているのです。

このようなことから、最近では、高血圧、うつ、痴呆など心身の状態別に楽曲を分類し、それぞれの症例に合わせたモーツァルトの楽曲集が、CDとして発売されています。

また、人間だけではなく、植物にもモーツァルトの音楽は効果的に作用するようです。野菜の畑にモーツァルトの音楽を流して聴かせてやると、通常よりも糖度が高いトマトが収穫でき、さらに収穫までの期間も短くなると言われています。

オルゴール音楽療法

音楽療法の一種に、オルゴール療法があります。


これは、72弁のオルゴールが奏でる、豊富な周波数を含む音色が脳を刺激し、自律神経を活性化させて心身の疾患・症状を和らげるというものです。


オルゴール療法が効果をあげる症状には鬱病などの心理的な状態の改善から身体的な疾患まで、さまざまなものがあります。


進行性の認知症だった男性が、一日数時間程度のオルゴール療法により症状が改善、古い記憶が蘇ったり買い物の計算などが出来るまでに回復したという事例もあるそうです。